2019年4月1日 新時代日本の「令に和せよ」、その「令」が意味するものとは
2019年4月1日
日本は都合の悪いことを見て見ぬふりをする。
今日いちにち、
それがよくわかる日だった。
テレビにでてくる誰もが、
「和」の意味を素晴らしいと称賛しても
「令」の意味については、すっかり忘れているのか、
一人たりとて言及するものがいないようなので、
ここで再確認しておくほうがいいだろう。
「令」とは何か
会意文字です(亼+卩)。「頭上に頂く冠の象形」と「ひざまずく人」の象形から、人がひざまずいて神意を聞く事を意味し、そこから、「命ずる・いいつける」を意味する「令」という漢字が成り立ちました。
『漢字源』をみてみよう。
「令」
❶{名}神のお告げや、君主・役所・上位者のいいつけ。▽清らかなお告げの意を含む。「勅令」「軍令」
❷{名}おきて。お達し。「法令」「律令リツリョウ」
➌{形}よい(ヨシ)。清らかで美しい。▽相手の人の妻・兄弟を尊んでいうことばとしても用いられる。「令聞レイブン(清らかなことばや、よい評判)」「令室」「令妹」
➍{名}おさ(長)。「令尹レイイン(楚ソの宰相)」「県令」
❺{名}遊びごとのきまり。「酒令(作詩・なぞあてで、はずれた者に罰杯を命ずるきまり)」
➏ レイス{動}命令する。「不令而行=令セザレドモ行ハル」〔→論語〕
❼{助動}しむ。せしむ。使役の意をあらわすことば。させる。▽「令+A(人)+B(動詞)」の形で用い、「AをしてBせしむ」と訓読する。命令してさせるの意から。平声ヒョウショウに読む。〈類義語〉→使。「吾令人望其気=吾人ヲシテ其ノ気ヲ望マ令ム」〔→史記〕
➑{助動}仮定の意をあらわすことば。もし…あらしめたならば。
➒「小令ショウレイ」とは、南宋ナンソウから明ミン代にかけて流行した詞曲のうち、詞の短いもの。
《解字》会意。
「△字(おおいの下に集めることを示す)+人のひざまずく姿」で、人々を集めて、神や君主の宣告を伝えるさまをあらわす。
清く美しいの意を含む。もと、こうごうしい神のお告げのこと。転じて長上のいいつけのこと。
いや、こんなことぐらい誰だって基本わかってる。
令は「命令」の令、「勅令」の令であるということを。
この「令」の大きな傘の下で令にひざまずくことになるのは、我々「下々」のものたちだということを。
広辞苑『勅令』 = 明治憲法下、帝国議会の協賛を経ず、天皇の大権により発せられた命令で、一般の国家事務に関して法規を定めたもの。・
ちょっと試しに、権力の傘の下で低くひざまずいている人間の姿勢を実際やってみるがいい。生きた心地はしないはずだ。
ところが、
どうだ。
これが GHQも利用したかった、
日本の天皇制という磁場なのか。
変だ、
気持ち悪い、と思いながら
誰一人、おおやけに
「おい、なんだこれ」
などと言い出さない。
本音を押しつぶして、
和っていいですね、
などと語る。
この二語のいったいどこに、
・「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つという意味が込められている」のか、
・「日本の国柄をしっかりと次の時代へと引き継ぎ、日本人がそれぞれの花を大きく咲かせることができる日本でありたいとの願い」があるのか、
令という不気味な文字に、
桜でんぶをふり撒いたような、
浅薄な虚説。
2019年04月01日13時32分
新元号「令和」を発表する菅義偉官房長官=1日午前、首相官邸
政府は1日午前、「平成」に代わる新たな元号を「令和(れいわ)」と決定した。5月1日の皇太子さまの新天皇即位に合わせて元号が改まる。出典は日本最古の歌集である「万葉集」。元号の典拠が日本古典(国書)となるのは初めて。
【特集】平成から「令和」へ
菅義偉官房長官が記者会見で発表した。続いて安倍晋三首相も会見して談話を読み上げ、「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つという意味が込められている」と説明。「日本の国柄をしっかりと次の時代へと引き継ぎ、日本人がそれぞれの花を大きく咲かせることができる日本でありたいとの願いを込めた」と語った。
政府によると、万葉集の「梅花(うめのはな)の歌」の「初春令月、気淑風和=初春の令月にして、気淑(よ)く風和(やわら)ぎ」から引用した。考案者は公表しない。首相は「国民に広く受け入れられ、生活に深く根ざすことを願う」と訴えた。
安倍らは単純なので
高度に暗号化されてもいない。
この「令和」という言葉が意味するのは、
シンプルに
「令に和せよ」ということだ。
『広辞苑』和する
❶ 和す 天候などがおだやかになる。また、気持がやわらぐ。したしむ。源胡蝶「ここちよげなる空を見出し給ひて―・してまた清しと誦じ給うて」。「君臣相―・す」
❷ うらみを解いて、よしみを結ぶ。和睦する。
➌ 調子が合う。また、調子を合せる。「―・して歌う」
➍ 応ずる。同ずる。特に、他人の詩歌に答えて詩歌を作る。また、他人の詩の韻によって詩を作る。
つねに時代には
予徴がある。
ひざまずき、
令に和せよ。
これが新時代日本の元号である。
ちなみに、参考のため、他の「ひざまずく人」の象形がある文字をあげておこう。